IoTが物流イノベーションを生む、作業分配の手法の新たな世界
物流業界にもIoTの言葉が氾濫している。「モノのインターネット」の訳語はあるものの、いまひとつわかりにくい概念だ。そのIoTの実態とは一体何なのか、そして物流や産業との関連性はどこにあるのだろうか。
(1)IoTとユビキタスとは同じ概念
オープンな組込みシステム開発環境のTRONプロジェクトでは1980年代後半のプロジェクト開始初期から、超機能分散システムをプロジェクトのゴールとしていました。HFDSとは、分かりやすく言うと「どこでもコンピューター」という概念でした。身の回りのあらゆるモノにコンピューターが組込まれ、それらがネットワークで繋がれて、協力しながら人々の生活を影から支えるというイメージである。
(2)ビッグデータ解析とオープン化がイノベーションを生む
例えば、物流倉庫だと、その大きさ、レイアウト、容量等は設計段階で分かっている。このデータにプラスして、倉庫内での人間の動きやモノ(荷物)の処理スピード、移動距離、トラックの移動と停車時間等のリアルなあらゆる情報をセンサーを通じて入手し、ビッグデータとして解析・分析するのです。すでにいくつかの企業では実際に運営していますが、棚の位置はここで良いのか、人間の配置はここでいいのか、人数は適正か等を分析するのが、最近の流れである。